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2007年5月25日 (金)

ユーザー不在。

偏屈先生は偏屈だが、モノを見る(診る?)目はあると自負している。
その先生から見て、「ちょっとヤバイかも」と思えるターゲットが二つあるので、ちょっとそれについて書いてみたい。

ひとつは日産自動車だ。
先生の住む町は日産が廃れると困ってしまう所なのだが、とにかく全然ダメなのである。最近デュアリス(海外名キャッシュカイ)という新車が発売され、欧州などではそこそこ売れているらしく、ホッと一息ついているとか……バーカ。

日産の凋落の原因について、こんな記事が載っていた。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070510/124461/
まあ、この記事も全然突っ込みが足りなくて、上っ面を舐めただけのものではあるが、状況が必ずしも良いものではないことは明確にわかる。
問題は、この記事でも言っている「モノ作り」なのだ。

一言で言ってやる。
「日産はユーザーを見ていない。」
日産の負のサイクルはこうだ。
●海外市場を優先し、マーケティング
       ▼
●煮詰まっていない中途半端な新車を開発
       ▼
●ターゲットである海外でイマイチ
       ▼
●日本では当然全然ダメ
       ▼
●焦って販路をいじりまくり
       ▼
●ディーラー共倒れ
先生は開発担当者に聞きたい。「君らは、本当に、売れると思ってその車を出しているのかね?」
たぶん、彼らは言うのだ。「いや、マーケ戦略通りだし」「いろいろ提案したけど上が」「日本市場には合ってなかったかもしれないけど、グローバルな視点ではプラットフォームの共有化が」「コスト削減の要請が」…………。
きっと、誰も売れるとは思っていなかったのである。もし、本当にヒットすると心の底から思っていたのなら、お前らは又吉イエスの手で地獄の業火に焼かれた方がいい。

誰が見たって魅力がない。カタチにも機能にも先進技術にも燃費にも質感にも価格にもサービスにも、何も取り柄がない。
日産が作っているのは自動車ではない。冷蔵庫である。「家にある」……それだけの存在なのだ。
200万円も300万円も出費して、感動の無い車を買う意味があるのだろうか? 心を震わせるというのはどういうことだ? 競争力というのはどういうことだ?
マーケットにあって、どういう潜在ユーザーが何を求めているのか、彼らには何もわかっていない。インサイトしていない。ティーダがなぜ全然ダメで、なぜPeugeotが売れるのか理解できていない。

ユーザーにその商品を「欲しい」と思わせる価値を提供しているのかどうか、胸に手を当てて考えてみた方がいい。
自動車は大きな出費なのだ。その車に乗っていることが、その所有者の価値として第三者に認識されてしまうとしたら、自動車会社は、その価値についてユーザーに責任を負うということを日産はわかっていないような気がする。
もっと直接的に言ってやる。「日産の車に乗っています」と恥ずかしくて言えないユーザーがどれほどいることか! 彼らに、誇りをもって「日産車のオーナーです」と言わせる施策を、日産のバカ経営陣は取っているのだろうか?
マーケティング調査だって綿密な販売戦略立てだって、絶対にやっているはず。問題は、それを受け取る肝心のユーザーの「意識」を彼らが根本的に理解していないことである。

日産の暗黒は当分続くと思わなければいけない。
ユーザーを見失っているからそうなるのだ。

もうひとつは週刊少年ジャンプだ。
http://maniaxz.blog99.fc2.com/blog-entry-201.html

以前からジャンプの編集部はバカばかりという評判だったが、編集長自らがこれではそう言われても仕方がないだろう。
驚くほど……いや、呆れるほど何も考えていない。
面白いものって何? それをマンガ家に任せて、「人材不足だよなぁ」と嘆いていればいいのだから、気楽な商売ではないか。

子供が少なくなるなんて、とっくの昔にわかっていたこと。「ジャンプは敷居が低い」だと? バカ言ってるんじゃない。あの鳥山だって、1年間育ててきたから、いきなり『Dr.スランプ』で花が開いたのではなかったか?
確かに現在の敷居は低い。めちゃ低い。最近の新連載のひどいことがそれを証明している。だからといって、「新人の質が下がった」で済むのか? 掲載前に、なぜ企画をもっと煮詰めないのだろうか? それは作家の責任というより担当者の無能のせいではないか? 突き詰めて言えば、それは編集長と編集部全体の問題だろう。

まず、考えろ。そしてユーザーのニーズを掴め。それは、上っ面のものではなく、もっと根元的なものだ。「友情・努力・勝利」はそこから出てきたテーマだったはず。少なくとも、子ども達が潜在的に持っている「理想像」だったはずだ。
もしそれが時代とともに変遷していると言うのであれば、2007年型のテーマを作るべきではないか? それをやらずに、個々の編集員⇔作家の力量任せでは、大きなムーブメントなど起きようはずがないではないか。

潰れる会社の最後に社長が取る行動は、「何でもいいから仕事を取ってこい」と檄を飛ばすことだという。もう組織論もビジネススキームもへったくれもないのだ。目先の数字を稼げばいいのだ。
……ジャンプって、まさにそういう状態なのである。そして、こんな(ゆでたまごのマンガによく出てきた)茨木などという小物が媒体を死滅させるのである。

個人的には、アンケートハガキによるマンガの人気順位付け方式……いわゆるジャンプ方式で編集するのは止めた方がいいと思う。そして、ベテランの活用法を真剣に考えるべきだ。そこで時間を稼ぎ、新人をきちんと指導・育成すること。
そして何より大きなポイントは、新人どもに「マンガ以外の世界を体験させること」だ。マンガ馬鹿には面白いマンガ(それは既製の枠を超えた作品)が作れるわけがないではないか。
当たり前だろう?

日産もジャンプも、なぜこんなにユーザーを見ていないのだろう。作り手(送り手)の価値観だけでモノを送り出している。受け手とシンクロしようと思っていないようだ。

嗚呼、ちょっと興奮して長くなってしまった。
昼休みはとっくに終わっている。
ビリーで腰も痛いし……さあ、仕事だ仕事だ。

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