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2009年1月 6日 (火)

Welcome to the Lunatic World.

あらためて、明けましておめでとうございます。
偏屈先生でございます。

昨年は、ほぼ1年に渡って芸能ネタで押してまいりましたが、その結果として更なる読者減を招きましたので、今年は時事ネタを中心に硬派的姿勢でまいりたいと思います。

そう書きながら、このタイトルはなんだ?と言われてしまうかもしれません。
まあ、今年はかつてない大きな変動の年……ある意味で「狂った1年」になると思っておりますし、またそうでなくちゃいけないわけでして。
今、簡単に「変動の年」などと言っておりますが、世間一般では、この「変動」を大不況からつながるリストラだの首切りだの、いわゆる悪時と捉えております。
しかし、世の中が乱れているときこそ下克上のチャンスなのは歴史が証明している事実。そう考えれば、受動的に「やってくる変動」は悪かもしれませんが、「仕掛ける変動」は栄光への架け橋(笑)かもしれないのです。

じゃあ、お前は何をするんだという声が聞こえてきそうですが、まあ、いろいろと考えてます。万が一、会社の人が見たら何を言われるかわかったもんじゃありませんので具体的には言えませんが、本当にいろいろと。
時期が来たらご報告したいと思います。

閑話休題。
で、最近の世相の話を。

坂本総務政務官が、5日の総務省の仕事始めの挨拶で「派遣村は真面目に働く人たちなのか」と疑問を呈しております。これが一部で不謹慎と捉えられて、問題視されているようですね。
偏屈先生は、ちょっと派遣業に関係していたことがありまして、業界の内情を割と知っております。
で、坂本発言に関して素直な感想を申しあげますと……「その通りです」。

誤解無きよう言っておきますが、世の中には努力しても努力しても、幸せになれない人が大勢います。それどころか、額に汗して真面目に働けば働くほど他人にいいようにこき使われ、搾取されて、どんどん不幸になっていく人すらいます。
それはわかっています。
ただ、それを踏まえたうえで言わせていただきますと、派遣の人間は、総じて人生設計……と言うか、考え方が甘い。甘すぎる。

そもそも派遣などというものは、企業にとって経営のバッファでしかありません。
もし、ある部署で専門的な仕事を永続的に行おうとするならば、普通は正社員を雇用しますし、どうしてもそれが見つからない、またはもの凄くミクロで専門的知識が必要ならば業務委託で契約社員を探します。
または、人手さえいればいいというレベルの業務ならば、アルバイトで十分。
つまり、派遣は「アルバイトよりも専門的」で、「正社員を雇うほどの永続性が見込めない」分野の職種に対してあてがわれる絆創膏にしか過ぎません。決して根本的治療に必要な手術や投薬ではないのです。

換言すれば、「いつでも不要になったら切れる」ことが派遣の最大のメリットと言えます。そう考えれば、身分が不安定なのは当然のことで、派遣先で自分の雇用がいつまでも続くと考えていること自体が、偏屈先生にとっては不思議なことなのです。
であれば、彼ら(被派遣者)は次のような対策を常に考慮しておく必要があります。
(1)いつ雇用関係が終了しても、次の雇用契約が発生するまでの生活費を蓄えておく
(2)不安定な雇用から脱するため、正社員として雇用されるようにスキルアップを図り、転職活動をする

その他として、「独立の準備をする」などの超積極策もありますが、まあそれは難しいと。ところで、今回の派遣村の方々は、上の二点を行っていたのでしょうか? 雇用が不安定な代わりに、彼らにはある程度の時間的自由が与えられていますし、工場労働だって月々20万円程度の収入はあったはずなのです。しかも、一般よりもはるかに安い月々数万円の出費で、そこそこの寮やら契約アパートに入れていたわけですから、上記の(1)は決して不可能ではなかったと思います。当然(2)もそうなのです。

イソップ物語の「蟻とキリギリス」の話に当てはめると、派遣村の方々は自分を蟻に例えるでしょうが、偏屈先生の目からは、残念ながら現状認識の甘い、もしくは現実逃避をしたキリギリスにしか見えません。
もちろん、遊んでいたわけではなく、本当に一生懸命仕事をされていたのでしょうし、住所が決まっていないと就職もできないというのは本当でしょう。
でも……大変申し訳ないのですが……当然、派遣として考慮すべき事象が起こっただけのことで、日頃の甘ちゃんぶりを行政のせいにするのはいかがなものかというのが、正直な感想になってしまいます。

企業が悪いという論調があります。
例えば、トヨタなら13兆円も蓄えがあるのだから、なぜこんなにあくせくするのかと。また、九州のキヤノンでは、派遣従業員を減らして、期間工を募集しているのはどういうことだと。
確かに、理屈では割り切れないところではあります……が、所詮、企業が考えることは株主に対するポーズと直接コストの削減しかないと考えれば、何となく理解できます。

派遣は、いわゆる個人に支払われる直接給与の1.5~2倍くらいのコストが必要になります(派遣会社へのマージンとか)。こう言うと語弊があるかもしれませんが、特に製造業の場合は期間工やアルバイトでライン作業は(スキル的に)十分。派遣を雇っているのは、数の調整がフレキシブルにできるとか、期間工の場合、募集→採用→訓練→現場の過程で時間が掛かるので、ショートカットするためにある程度のスキルのある作業者を短期に確保したいからに他なりません。
つまり、「使わなくていいものなら雇いたくない」というのが派遣というものの本質なのであり、被派遣者は、それを理解したうえで派遣会社と契約するべきなのです。

結局、被派遣者は派遣会社との雇用契約があるだけで、作業に従事している会社との関係はないのです。
また、2004年以降の派遣法では、3年以上同一企業で働いた場合、作業している企業が正社員としての雇用契約を結ぶかどうか被派遣者に確認しなければならないということになっています。これをして、「確認しない企業は法律違反だ」→「企業が不誠実だ」→「雇用企業が悪だ」と主張する評論家の方もいらっしゃいますが、もし「3年働いたから正社員として雇ってくれ」と企業にお願いすれば、その人の契約は解除されるだけでしょう(希に雇われることもあるでしょうが)。
そうなるのが嫌だから、被派遣者は黙っていたということもあるかもしれませんが、一番問題なのは、そういう「正社員」みたいな関係が「ウザい」し「縛られたくない」し、正社員になれば「責任が発生するから面倒」だと思っていたのが真相に近いと、偏屈先生は思っています。
実際、自分があの業界に関与していたとき……つまり景気がよかったとき……は、誰もが本当にそう思っていたのです。いや、昨年の夏まではその流れだったのではないでしょうか。

偏屈先生としては、上記のような温いムードを助長していたのは派遣会社であり、また掌を返したように「派遣救済」を叫ぶマスコミそのものだったことを、暴露せざるをえません。
「自由」だの「自分のペースで」だの、派遣のメリットを声高に叫んでいたのは誰だったのでしょう? 世の中、常にGive and Takeだとすれば、いま派遣村で苦しんでいる人たちも十分にメリットを享受してきた人々なのではないでしょうか。

もう、いっそのこと、政府(農林水産省)が職を失った人々を期限付きで臨時雇用すればいいのです。
で、何をさせるのかというと、地方に配分していわゆる減反政策で休田・死田化した田畑を開墾するのです。米がダメなら、付加価値の高い野菜や花、果物などを作ればよろしい。そうすれば、日本の食料自給率も上がるだろうし、雇用も促進されるし、(もしかしたら永住して)過疎化にもストップが掛かるかもしれないではありませんか。
昭和大恐慌に対してアメリカがうった「ニューディール政策」の日本版というわけです。あちらは大規模な公共事業の促進ですが、こちらは世相を反映してエコにこじんまりと。どうでしょうか。

「そんなのカッコ悪い」とか「自分のスキルと経験が活かせない」とか、ほざいている場合ではありません。そうなりたくないなら、「そうならないように自衛策を取る」のが当たり前です。それができなかった時点で、残念ながら派遣村の人々には、職業選択の自由はありません。
そろそろ、日本人もTakeばかりではなく、大人としてGiveをするべきときなのではないでしょうか。

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