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2009年7月21日 (火)

脱イロもの宣言~『⊿』 Review-3

今、偏屈先生はこの文章をKQの中で書いている。
使っているマシンはVAIO type P VGN-P70Hである。もちろんモバイルのために購入したのだが、正直あまりの使いにくさに辟易している。
だいたい、8インチという画面サイズで1,600×768ドットとはどういうこった? 天地を768ドットにすると、必然的に左右が1,600ドットになるのだろうが、ふざけるなと言いたい。ブラウザを横2面で使えるとかほざいているが、そもそもそんな小さなブラウザを誰が見るのだ?
文字サイズなんかミクロの世界だ。ただでさえ老眼で厳しいのに、もの凄く目が疲れてしまう。これが肩と首の凝りに直結する。
加えて、VISTAでの動作がめちゃくちゃかったるい。遅くて、だるくて、すぐにスタックする。こういった物理的な問題点に加えて、アキュポイント(IBMではこういうのだが、SONYでは何と言うか知らない)の反応が最悪。反応して欲しいときには反応しないくせに、その半面、触れただけで数センチもカーソルが吹っ飛ぶのである。つまり、人間の感性にもまったくマッチしていないのである。これが肩凝りと疲労を助長する。
SONYはなんだかんだ言っても嫌いじゃないので、C1、U1、U3、U50、G1、G2と使い込んできたのだが、今回のtype Pはその中でも使い勝手は最悪かもしれない。富士通のLOOX U50と同じくらい駄目なマシンと言える(LOOX U50は2台購入した……)。
さらに頭に来ることがある。VISTAがあまりにも駄目なので、仕方なく、苦労に苦労を重ねてXPをデュアルブートできるようにしたら、絶対に出さないと言い張っていたXP版を発売しやがったのである。コンセプトダウンもいいところだ。
とにかく、このマシンを設計したスタッフは、人間の感性に合わせてキチンと機械をチューニングすることを覚えていただきたい。だから、SONYの製品は上目線だと言われるのだ。

……SONYへの怒りで思わず800文字も書いてしまった。まあ、最終的には買った者が悪いのであきらめるしかないのだが(やっと家に到着。G2起動)。

えーと、今回は『⊿(トライアングル)』の収録曲評を書くんだったかな。
では、ぼちぼち。

1. Take off
Oasisの『(What's the Story) Morning Glory?』における『ハロー』とか、The Beatlesの『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』の同タイトル曲のような存在か。アルバム全体のイントロであり、『Speed of Sound』にもつながって、全体のコンセプトを打ち出すもの……というと何か意味ありげだが、意外と曲数稼ぎのような気もする作品。

2. love the world
『Take off』からメドレー的に入ってくる意外性が面白い。今考えると、この曲と『edge』がカップリングになったシングルが、オリコンのウィークリーチャート1位になって当たり前です。良い曲、可愛い曲、そしてPerfumeしか演れない曲です。

3. Dream Fighter
ヘビーなリフが特徴的だし、Perfumeにしては珍しく熱唱系の歌だし、個人的にはすごく好きな曲。ただし、それ故にテイスト的にこの曲順だと違和感があるのだが。他のPerfumeの曲は嫌いだが、この歌だけは好きという人も多いし、何より外国人の間での人気が高い。そういう意味では「良さ」がわかりやすい曲なんですな。しかし、アルバム中でのポジションがあまりにも不明確。

4. edge <⊿-mix>
富士そばのカツ丼カレー。過ぎたるは及ばざるが如し。サービス過剰。

5. NIGHT FLIGHT
これと『I still love U』が本アルバムのベストチューンということになっている。ただし、偏屈先生は一般人として初めて代々木でフルバージョンを聴いたのだが、その時はそれほど強い印象は受けなかった(『SEVENTH HEAVEN』の直後で茫然自失状態だったので、「あれ、ここで演るわけ?」くらいにしか思わなかったため)。アルバムでじっくり聴くと、すごくクラシックな、YMOっぽいリフとベースラインを持った名曲に聞こえる。80年代のユーリズミックスを思い出させる部分もあったりして、聴く人の年代によってどうとでも聞こえる不思議な曲と言える。
とは言え、聴いている分には結構単調な曲かもしれない。ほとんど大きなヤマ場もなく、派手な間奏もないわけで、ある意味、踊るためだけに存在する曲なのではないかと思う。「Perfumeの曲はライブで完成する」という名言もあるので、そういう意味では明確にダンスをイメージできるこの曲の完成度は、Perfume的には非常に高いと言えるだろう。換言すれば、ツボに入ると死ぬほど好きになるが、テクノが嫌いだとフックがまるでない曲、ということになるかもしれない。実は代々木のライブとアルバム収録時では細部が異なり、アルバムの方が音が多くてちょっと長い。しかも、中田先生の仕掛けたワナがあちこちに張ってある。それらは大きな音で聴かないとがわからないので、ぜひ高機能のヘッドフォンやイヤフォンで聴いてほしい……できるだけ低音の出るヤツがお勧め(audio-technicaのSolid Bassシリーズとか)。

6. Kiss and Music
『マカロニ』よりも黒っぽい、Perfume初のR&Bらしい。『23:30』のときの「背伸び」感もすごかったが、こちらも「ちょっと無理しちゃいました」感では負けていない。聴いているとどこか気恥ずかしい気がするほどだ。あ~ちゃんとかしゆかの声しか聞こえないのだが……のっちはどこへ行った? 余談だが、前作の『GAME』の録音が始まったとき、あ~ちゃんはまだ18歳だったんだよね。そう考えると「勇気ないのね 踏み出せないの?」なんて卑猥っぽい歌も歌えるようになったんですねぇ。

7. Zero Gravity
タイトルの意味は「無重力」。それをイメージしたわけではないだろうが、主旋律の声もコーラスもバックもどこかフワフワ、スカスカ。部分的には、スカスカというより息も絶え絶えみたいに聞こえるのはあまり気分の良いものではない。歌の入っていない部分は基本的に気持ちの良いメロディを持っているので、意外と人気があるらしい。でも、偏屈先生は、個人的にあまり好きな曲ではない。基本的にこのアルバムはワンテイクで録ったらしいが、この曲に関してはもう少し丁寧に音を積み重ねて欲しかったと思う。

8. I still love U
どこかWinkっぽい、ネオ歌謡曲。ど真ん中のJ-POPで、付属DVDを見ると、この曲のPVではどうしても微笑んでしまう。余談だが、3人とも非常に個性的で、決して美人とは言い難いが、バラエティに富んでいて面白い。あ~ちゃんはキレイに撮れています。かしゆかって、目が▲なんですね。のっちは……(以下省略)。えーと、曲そのものは……非常に繊細で切ないメロディを持っている。先生個人としては「それがどんなに意味のないことで」というのっちのターンが大好き。
ただし、この曲も所詮はダンスをイメージしたテクノポップ。数多の歌謡曲とは異なり、無意味にヤマを作ってはいない。例えば、普通のJ-POPだったら、サビの「I still love~」の後の「迷路のよう 見えないドア」の「ア」の部分をルートに対するドミナントかサブドミナントの和音を使って緊張感を作り出し、次の展開に向かって盛り上げようとするものだが、この曲では実際にはルートに戻って一段落させてしまうのである。で、次に「I can simle 隠してるの」からもう一度主旋律を元に戻らざるをえなくなるのだ。これでは盛り上がらず、ただ淡々と進行するだけになってしまう。
なのに、なぜこうなっているのかというと、やはりダンスをするための曲なのだということだろう。Perfumeが純粋にコーラスグループなら、当然盛り上がりを第一に考えるだろうが、ライブを考慮すると、主旋律を歌うメンバーがイーブンの関係でくるくると展開していく方が正しい流れなのだ。
余談だが、この曲はあまりにベタすぎるので、中田先生も自分で恥ずかしくなったのではないか。で、彼女たちの声に思い切り加工を加えたり、途中で変なブレイクを入れたりして、「フツーじゃない」感を醸し出そうと一生懸命なように見えるのだが。
で、さらに余談。どうもこの歌は『願い』と一続きのストーリーのような気がしてならない。『願い』では、友達以上恋人未満の女の子が、好きな彼に意を決して告白する。「私たちって、つき合ってるんだよね?」……しかし、答えは意外なものだった。「ごめん、なんかさ、そういう感じじゃないんだよね」……それまで気軽に笑いあえていたのに、どこか気まずくなってしまい……これって、そんなタイミングの歌じゃないですかね? だって、マジでつき合ってたら、別れた後に「一緒に笑い合える関係 それを守りたい」なんて言えないですよね? え、現代っ子はそうでもない? 偏屈先生が時代遅れ?

9. The best thing
このアルバムの中で、偏屈先生が一番お気に入りの曲かも。とにかく、オートチューンの加工が心地よいのだ。オートチューン(ヴォコーダーではない)で加工することに一種の嫌悪感を持っている「音楽ファン」はやたらと多いのだが、偏屈先生はここであえて言いたい。「今やほとんどのミュージシャンは、レコーディング時にオートチューンでピッチ補正をしている。つまりそれは加工なのだ。彼らは目立たぬようにそれを使って、しかも隠している。中田先生はそれを隠さない。隠すどころか、効果的に使いこなしている。それのどこがキミたちの好きなミュージシャンに比べて劣っているのだ?」と。本当に、バカも休み休み言って欲しいものだ。ここで言えることは、この曲は聴いていて非常に気持ちがいいこと。それって、何にも代え難い「長所」じゃないですか?
ちなみに、某海外のPerfumeファンサイト=Perfume Cityでこのアルバム収録曲の人気投票をやったら、この『The best thing』がダントツ1位でした! 歌詞に英語が多いってこともあるのだろうが、「心地よさ」は万国共通ってこと。それがなにか?

10. Speed of Sound
『The best thing』からメドレーで続く、「セサミストリート」でやっていてもおかしくない曲。言葉遊び+テクノって感じの実験曲(あるいはライブのときの衣装替え曲)。英単語の発音については、中田先生直々の指導があったらしい。中田先生は英語がしゃべれるのか? Perfume Cityの代表であるバルセロナのekuseru氏が武道館ライブの際に来日したとき、中田先生はekuseru氏に「ようこそ、スペイン人!」と日本語で言ったとか。本当に英語がしゃべれるのか、中田先生? 肝心の曲は、構成的には面白いけど、ちょっと冗長すぎる気がするのだが。

11. ワンルーム・ディスコ
偏屈先生はこの曲はすごく好き。ダンスも好き。Perfume以外にこの曲は歌えないし踊れない! テーマは、新生活応援ソング……ではない。のっちもやっと気付いたらしいが、(たぶん同棲していた)恋人(♀)が別れて一人で都会(たぶん東京)に出てきて、新しい生活を始めようとしている歌なのだ。そういう意味では、『I still love U』の続編とも言えるかもしれない

12. 願い
『MUSIC MAGAZINE 2009年8月号』のPerfumeのインタビューによると、この曲は当初アルバムに入る予定はなかったんだとか。なぜ収録されたのかというと、代々木の最終日に中田先生がライブを観に来て、最後の『願い』を見て感激して泣いた(!?)とか。で、急遽これをアルバムに収録することを決意し、リミックスを始めたということらしい。かなり眉唾ものの話だが、メンバーの言うことは信じないといけない。
問題は、この曲が入ることで落ちた曲があるということ。それはそれで、ちょっと残念ではないか。新曲だったら尚更だし、もし『SEVENTH HEAVEN』だったら、死んでも死にきれない。
この曲も『edge <⊿-mix> 』と同じで、演出過剰気味。元がシンプルな佳曲なんだから、その世界観をわざわざ壊さなくてもいいものを……と思わずにはいられない。どうせリミックスするのであれば、間奏を入れてヤマを作って欲しかったというのが偏屈先生の正直な感想。でなければ、イントロ辺りにストリングスを入れるのではないかと思ったが、ああ、やはり中田先生はへそ曲がりなんだよね……と思わずにはいられません。

疲れたので、もう止めよう。
こう見ていくと、やはり「心地よさ」を狙っている曲が多いのがわかる。あと、英語のタイトルと歌詞が多いことも。海外進出の布石じゃないかと疑いたくもなるのだ。
日本は、「音楽とはこうあるべき」という固定観念に縛られたバカ音楽ファンが多いので、もっとニュートラルに評価してくれる海外の方が、Perfumeのためには相応しい場なのかもしれない。先程も書いたが、「Perfumeの音楽はライブで完成する」のだ。いつまでも過去の基準に囚われていたのでは、新しい時代は見えてこないぞ! ただし、今後海外でライブするとして、問題は……英語でMCできるほど、あ~ちゃんの頭が良いとは思えないことだ……。

しかし、何か、めちゃくちゃ長くなってないか、このブログ? やばい、またO月さんとかN田さんに怒られる。
最後に、この場を借りて個人的メッセージを。「N田さん、生きてますか? 僕はなんとか生きてます。死ぬまでは生きてますからね~」

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