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2010年8月12日 (木)

この曲を ダメだと言う奴ぁ みんな死ね(575)

のっけから過激なタイトルで恐縮ですが、もちろん8月11日にリリースになったPerfumeの新シングル『VOICE c/w 575』についての話です。

偏屈先生の過去ログを見ていただけるとわかるのですが、結構シングル曲についての評価は厳しいです。
と言うのは、Perfumeの場合、必ずしも「良い曲」がシングルになっていないからなんですねぇ。例えば、2010年の4月には『不自然なガール/ナチュラルに恋して』が両A面でシングルカットされました。で、オリコンの週間チャートでは最高2位だったものの、Perfumeとしては最高の売上になったわけで、結果論として万々歳だったんですが、あのとき誰しもが思っていたのは、なぜ『Night Flight/I Still Love U』のカップリングでシングルにしなかったかということだったんですねぇ。
『不自然なガール/ナチュラルに恋して』も相当良い曲だと思うのですが、いかんせんタイアップとかの大人の事情が絡んでおり、ちょっと素直に評価できない面があったことは否めない事実。楽曲として……というか、ダンスも含めた完成度としては、明らかに『Night Flight/I Still Love U』の方が上だったと思うのです。
この2曲はアルバム収録曲なんですが、どうも最近のパターンとしては、まずアルバムが先行して、そこからシングルがカットされるという流れは無いみたいです。まあ、『Night Flight』だってpinoのCMソングですし、その前のpinoタイアップだった超名曲『シークレット シークレット』もシングルになっていないということは、こちらも大人の事情があったということでなんでしょうかね。
要するに、ファン不在なんですよ。

……まあいいや。話が逸れた。
ええと、つまり偏屈先生はシングル曲については評価が手厳しいと。ついこの間も、『VOICE』はダメだと書いたばかりのような気もしますし。

というわけで、今回のシングルについて評価を下します。

素晴らしいです。
100点満点で言うと50,000点くらいでしょうか。
さあ、今すぐ千円札を握りしめて、CDショップへ通常盤を買いにいきましょう!

『VOICE』は、言うなればまあフツーの曲です。チャイニーズテイストと謳っていますが、端的に言えばそれ以上でもそれ以下でもないものでして、youku.comとかでは「わが国(中国)の音楽っぽい」と馬鹿受けしております。

偏屈先生のお勧めは、カップリングの『575』です。
この曲は……表現が非常に難しい。『戦場のメリークリスマス』に似てるとか、『クロノトリガー』そっくりとか言っている輩がいますが、そんなものはどうでもよろしい。
この曲は、夏の終わりから初秋へかけての空気感を強烈に感じさせてくれます。ひぐらしの鳴く声、とでも言いましょうか。なんだろう。聞いた感じとしては……曲風は全然違うのですが……Oasisの『Wondewall』を聞いたときのイマジネーションに似ているというか。The Whoで言えば『Baba O'Riley』かな。
とにかく、心地良いのです。
丘の上に立っている自分の頭の後ろ、はるか後方でひぐらしの声が聞こえる。それは音というよりも、空気の振動、シャワーという感覚。そして目前にはピンク色に染まって堕ちていく夕陽と灰色に広がりゆくゆらゆらとした雲。そんなイメージ。
身近なところでは、横浜市金沢区の野島の夕照橋辺りから見る夕陽はこんな感じ。遠いところでは、ギリシャのサントリーニ島のOiaとか、イギリスの湖水地方、ウィンダミアにあるBelsfield Hotelから見た夕焼けの印象に近いかも。

この曲、途中に2回ラップが入ります。ラップと言うより、むしろ女子高生のつぶやきに近いかな。3人で演っているはずなんですが、なぜかかしゆかの声しか聞こえない……。このラップが入っていることに、「今さらラップかよ」とか「Perfumeらしくない」とかあーだこーだ言っている輩もいますが、そんなこたぁどうでもいいのです。
しつこいですが、とにかく、心地良いのです。しかも生々しい。
「おやすみ」「おはよう」……そんな他愛もない言葉に、言葉以上の生々しさがあるのです。だから、ラップといっても言葉の羅列ではなく、ヤスタカ氏が以前から言っている「声は楽器である」という主張の延長上にある気がしてなりません。つまり、言葉をピチカートみたいな弾く感じで並べたものなのではないかと。
この辺は、きっと誰にもわからないかもしれません。

えーと、それ以外に何か問題あるの?

Perfumeに関しては、「こうするべき」「こうあるべき」みたいなBiasは取り払った方がいい。そうしないと、彼女たちのパフォーマンスも全部「口パクだからダメ」で終わってしまうでしょ? 何かを表現する……そのために、新しいスタイルが必要なら、それはそれで認めてあげなければファンではないでしょ。嫌ならファンを止めればいいだけのことだと思うのですが。
結果として、非常に心地よかった。それでいいんじゃない?

それにしても、Perfumeの場合、というか中田ヤスタカの場合、シングル曲にパターンが見えてますよね。
A面はどちからというとユニセックスで、世界観が割と広くて曖昧で、ツボを押さえにかかってくるわけ。それに対し、B面は内相的で、女性視点が強くて、割と実験的なことを仕掛けてくる、と。
今回もまさにそのパターンですね。『不自然なガール』から、若干ユニセックス的な風合いは乏しくなってきているけれど。
でも、本当にPerfumeのB面は神曲が多いですねぇ。『Wonder2』『Seventh Heaven』『マカロニ(両A面だけど)』『edge』『願い』『23:30』そして『575』……B面だけのアルバムを作ってもいいのでは、と思うくらいです。偏屈先生は、たぶん、いや絶対に買います。

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