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2010年8月30日 (月)

IT業界人のソーシャル嫌い

偏屈先生は、ついこの間までは金融業界にいたのですが(健康保険組合は“旅行業”だったが)、坂道を転がるように転落の人生を歩んでおりまして、見事IT業界の端くれに着地したのでした。

会社の所在地も、中央線沿線のぽわ~んとした街から、日本一騒々しいガキの街に替わりました。換わらないのは、富士そばが主食であるということくらいでしょうか。

まあ、仕事上インタラクティブ・コミュニケーションは欠かせません。情報共有も電話を掛けるよりもメール(メールというと英語では「紙の手紙」を指すのだが、さすがに昨今、手紙のことを言っていると思う人はいないのでは?)が主流。TwitterだってFacebookだってLinkedInだって、ちゃんとアカウントを持って使っております。
そういう意味では、SM(Social Media)に関して「先進的」な人種と言えなくもない。

が、正直に言うと、この世界は好きではありません

どちらかというと、お客さまに上記のツール(というかサービスというか)を活用するような提案をしなくちゃいけない立場なんだけど、嫌いなものは嫌いなのであります。

何が嫌いなのか?……冷静になって考えてみたのですが、PCや携帯やスマートフォンが嫌いなんてことは絶対にない。つまり、デバイスは大好き。
上記のツールだって、別に嫌いじゃない。使い勝手が良いとは思わないし、自分のツィートにフォローが来たからって浮かれる歳でもないけれど、かといってキーボードに触るとジンマシンができるような嫌悪感もないですし。

でもSMは嫌い。

わかりました。ツールが嫌いなのではなく、「使っている奴らが嫌い」なのです。特に、自称エヴァンジェリストの「先行者」たち。IT業界の端っこにしがみついている零細企業(事務所)の社長だったり、ナントカ研究所の所長だったり、広告代理店のネット担当者だったり、訳のわからないクリエイターだったりする人々ですね。

全員が全員、これからは既存のメディアが死んで、個人の発信する情報同士がつながってネットワークを作り、メディア化していく……みたいなことを言うのですよ。この流れに乗っていかないと、10年経たずにみんな食いっぱぐれになっちゃうよ~と口を揃えるわけです。
で、内容の薄い書籍を書いたり、セミナーやったり、カンファレンス開いたり、極端な例では政府や一部の企業の紐付きになって、相応の収入を得たりするんですねぇ。

でもね、こいつらの本音は「ネットワーキングの未来」を作って、人々に貢献しよう……ということではありません。
時代がどう変わろうと、影響のあるアッパークラスのセレブたちとつながっていたい、コネクションを確保し、ポジションを確保しさえすれば、何がどう変わろうと自分は安泰だ、くらいな発想です。

結局、この人たちは、セカンドライフが流行ればセカンドライフの推進派になるし、Twitterが流行れば「ツィートしない奴は馬鹿」とツィートする人々なんです。別に日本のITの未来を憂えてるわけではないし、真剣に社会に貢献しようとしているわけでもない。

あ、もちろん真面目に研究開発している人は沢山います。それは重々承知しております。問題は、トレンドに乗って、アルファブロガーやインフルーエンサーの名刺を集めたり、フォロワーを獲得できたりすれば万事OKみたいな、「他人の尻馬」に乗っているばかりか、まるで自分たちが未来を作っているんだみたいな妄想の中で生きている輩です。
こういう人は、むしろ未来を無理矢理自分の「利益の方向」へねじ曲げようとしているのではないかと。百害あって一利なし、でしょ?

だいたい、世の中で個人が発信している情報なんて、99.99%どうでもいいレベルのものです。ただし、残りの0.01%は、ある特定の人にとってはダイヤモンドに等しいものかもしれません。そして、往々にしてその0.01%の情報に人々は群がるわけです。
つまり、極論すれば99.99%側の情報しか出せない「一般ユーザー」の発信する情報には、何の意味もないかもしれないんですよ。それを、無理矢理「一般ユーザーの声がネットワークすることで、新しいメディア価値が創造できる」と言い切るのは、本当に妄想に近いのではないかと。

どうしても、一般ピープルの情報にこそ価値があるというのであれば、最低次の二つは達成されないとダメなのでは?

1) 発信する情報が「あ~ヒマなう」のレベルから、一般ピープルが見る(読む)価値のある内容に昇華すること。そして、ツール(サービス)の機能を理解し、一般ピープルに無駄な情報(特定の人間同士のどうでもいい会話とか)を見せてしまうようなボケを解消すること

2) どうでもいい99.99%側の情報にも、埋もれたSomethingがあるかもしれないので、サーチし、必要なデータを即座に取り出せるような機能をちゃんと設定すること。また、使う側もダラダラと情報を見ていく「無駄」を極力回避すること

こんなことを書くと、「コミュニケーションって、そんなダラダラした会話から生まれるんだよ~」とか「埋もれた情報を見つけてこそ面白い」みたいな誹りを受けるかもしれません。
別に一般ピープルは何をどうやったっていいんですよ。でもね、「先行者」はそんなことではイカンのです。

先日も、某企業でたまたま一緒にミーティングした某エヴァンジェリスト的コンサルタント(Twitterの専門家らしいですぞ)が、クライアントの意向を見事に無視して自分の都合だけでTwitterをビジネスに導入させようとしているのに閉口したばかり。だって、企業でアカウントを取ってTwitterをやる意味自体を考えてなくて、「この予算だったらここまでしかできない」的なことしか言わないのですから。第三者的に見て、企業がTwitterをやる目的も曖昧だし、担当も決められないし、どう考えても失敗する要素がてんこ盛り。でも、そのコンサル氏は、自分の会社に売上が立つので、中途半端な状態で何が何でも導入させようとしているんです。あ~あ。
後日、そのお方が、自分の部下にTwitterで「お前らはクライアントのことを考えて作業をしているのか」みたいなことを書いているのをみて、その厚顔ぶりに大変驚きました。

これが、日本の「先行者」の一側面です。
繰り返しますが、こんな人ばかりじゃないのですが、こんな人が沢山いるのも確か。
日本のIT業界は、魑魅魍魎が闊歩する、いや魑魅魍魎だからこそ生きていける世界になっちゃってるんみたいです。

……次のジャンボ宝くじの発売日はいつなんでしょう?

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