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2010年11月 8日 (月)

なぜPerfume東京ドームコンサートがダメなのか

現在は11月7日(もう8日か)、東京ドームコンサートが終わって4日経つ。
ちょっと冷静になってきたので、改めて評価をしてみることにしよう。

コンサートから帰ってきて、偏屈先生が下した評価は100点満点で60点だったと思う。
かろうじて合格点というところだろうか。ただし、決して手放しで褒められる内容ではなかったと思う。

偏屈先生が見て、このコンサートの問題は3つあった(Perfume研究?で有名な航空力学さんも割と辛めな論評だったけれど、先生とはちょっと視点が異なるので注意。まあ、あっちは有名人でこっちはマスターベーションだけど)。
それをちょっと述べておく。言いたいことはもっとあるけれど、まあ、こんなところで。

【3つの問題】
1.テーマと方向性不在
2.対象者不明
3.会場が不向き

1.について
「1234567891011」というテーマがあるじゃん……という人もいるかもしれないが、じゃあ、今回表現したかったのは何? と問いたい。一説によるとセットリストを決めている(もしくは意見を出している)のはあ~ちゃんらしいのだが、ちょっと「東京ドーム」という器でLIVEをやる、という事実に溺れていたのではないかと。
渋谷陽一先生は、「こういうビッグコンサートで一番やってはいけないのが、観客ではなく自分たちが気持ちのいいことをしてしまうこと」と言っておられ、Perfumeはあくまで観客視点で動いていたと褒めている。確かに、4つのステージを駆け回ったり、山車の上に乗って場内を一周したりしたけれど、それが観客視点だったのだろうか。
偏屈先生は、5万人の観客が観たかったのはそんなことではないと思ったのですよ。例えば、『Perfume』で、例の山車に乗ってパフォーマンスをしたのだが、それだけでゆうに10分以上を費やしている。それよりも、一曲でも多く彼女たちのパフォーマンスを観たかったのではないか? つまりは、渋谷先生言うところの「自分たちが気持ちのいいこと」です。言い換えれば自己満足です。
もっと根源的なことを言うと、このコンサートで何を表現したかったのか? 10年間の軌跡か? 11年目以降の未来か? またはその両方か?
10年間の軌跡として……何がそれに当たるのか。『Perfumeの掟』? シングル中心で、しかもB面の名曲たち……ある意味でPerfumeの価値を競合のそれよりもはるかに押し上げている原動力たち……を無視したのはなぜ? 偏屈先生が知っている限りでは、シングルのB面(カップリング曲)に対するファンの支持は、A面それに決して負けていないはず。確かに直接的な知名度は低いかもしれないが、PerfumeをPerfumeたらしめているのはそれらの楽曲+ダンスではなかったのかと。インディーズ時代の曲もまた然り、である。
11年目の未来として……何が、これからのスタイルなのか、それが少しでも見えただろうか? もし、今回のパフォーマンスから汲み取ろうとするならば、それは「中途半端なアイドルグループ」ということになってしまうのでは? コアなナンバーを無視し、シングルA面を並べ、観客を可愛くイジって……それでは、ただのアイドルグループにすぎないだろう。そんなパフォーマンスの中、どこで次のスタイルを示唆できるのだろうか? あるいはできたのだろうか? 残念ながら、今回のパフォーマンスの中で一番盛り上がっていたのが、『エレクトロ・ワールド』と『ポリリズム』だったという事実が、何より雄弁に現実を物語っていないだろうか?

2.について
テーマもそうなのだが、Perfumeは誰を相手にしていたのだろうか?
テーマが不在だから、対象者も曖昧だ。だから、今回のPerfumeは「観客」という5万人の固まりを相手にしていた。本人たちは必死にお客さんを見ようとしていたのだが、最後まで対象は曖昧だった。あ~ちゃんに言いたい。「声を出してもらっていればお客とつながっているわけじゃないよ」と。
以前から、Perfumeは「声」と「楽曲」が結びつかない……つまり口パクだ……というのが最大のメリットでありデメリットであると偏屈先生は書いてきた。つまり、ダンスというパフォーマンスを選択することで、または中田Pの世界観を守ることで、「歌を歌う」という行為は避けられてきた。ただし、そのハンディをメリットに変え、素晴らしいダンスを見せることで均衡を保ってきたのだ。
ドームではそれが崩れてしまった(その原因は後で述べる)。観客の多くは、身体ではノっていたけれど、心のどこかでDVDやWOWOWで見たモニターの中の3人とは異なることに違和感を感じていたはずだ。
偏屈先生は5万人が何を求めてドームに来たのかはわからないけれど、武道館のようなお祝いではなく、代々木のようなエンタメではなく、横浜のようなツアーへの参加意識でもなく、「ここまで来ちゃった3人の凄いパフォーマンス」を曖昧に期待していたように思う。5万人の中にはコアではない薄いファンも沢山いる。いつものLIVEよりも全然ステージと客席の関係が希薄なのだ。
3人は……というよりスタッフが……とうとう最後までそのことに気が付かなかった。というより、まず先に読み違えた、ということなのだ。1階席くらいまでは良かったのだけれど、2階席より高いところの観客は、妙に冷めていたように思う。偏屈先生は、それが気になってステージよりも客席を見ていたのだけれど、代々木の時のような会場に満ち満ちた一体感も多幸感も、ついぞ感じられなかったのである。

3.について
今まで述べてきたのだが、来年には大学を卒業する彼女たちは、何をしていくのだろう? アジアン歌謡祭(だっけ?)に参加→海外進出? それはあまりに短絡的な考え方だ。
現実を見れば、Perfumeのコアファンは5万人前後だと思う。芸人の中でファンで有名な土田氏のブログでは、「Perfumeファンが全部ドームに来た」と書いてあったが、さすがにそんなことはないはずで、大まかに見積もってもコアファンが6割(つまり3万人)で、あとは薄いファンだったのではないか。
薄いファンはむしろ今回のセットリストで良かったし、意外と満足してくれたのかもしれない。しかしその半面、古参を含むコア層は、今回を境にボロボロ落ちていくような気がしてならない。ある意味、その「薄さ」に耐えられずに。
偏屈先生はそれも必然だと思う。しかし、それと同時に、新しいファンを獲得するための世界観の提出が必要だったのではないだろうか。例えば、現在のスタイルでは、シングルを10万枚+αをコンスタントに売ることはできても、それ以上のヒットは望めない。つまり、複数買いをするファンを見込むと初回(初出の週)の売上で8万枚+αは確実なのだが、その週にたまたまそれ以上の売上を弾き出した曲が他にあれば、オリコン1位になれない、ということである。最近はずっとこの繰り返しだ。ちなみに、同じ日に某K国のアイドルグループKもシングルをリリースする。もしそれに負けたら、ちょっと困るのではないか?
コンサートに話を戻すと、ドームは広すぎた。そして天井が高すぎた。さらに音が悪すぎた。「歌」で勝負できないPerfumeは、その手先も含めた繊細な表現を見てもらうために、いくつか大型モニターを準備した。しかし、天井が高く広いがゆえに、そのモニターを見ながら彼女たちを生で見ることが非常に難しくなってしまった。しかも、3人が頑張って別個にファンに近づこうとすればするほど、従来のフォーメーションの美しさは消え、散漫なイメージのみが残ってしまった。スタッフが用意したビデオも、まったく効果的には見えなかったはずだ。
360度周りを囲まれた状態で、Perfumeのダンスは輝きづらい。フォーメーションの最中にいつもとは真逆の方向を向いて、メンバーの誰かの顔がどの角度からでも見えるように凄く気をつかっていたのは、痛々しいほどだった。そのせいもあって、本来のダンスのダイナミックさは欠け、逆にちまちま見えてしまったのは、つくづく残念としか言い様がない。
つまり、Perfumeのパフォーマンスは、天井が(というより観客席が)比較的低く、メンバーと対峙する方向に観客が集まり、手先の動きまで視認できる距離範囲で見られる会場がある意味で限界ではないかと思うのである。簡単に言えば、東京ドームという箱に負けたのである。
そんなことは演る前からわかっていたことだ。
問題は、そんな状況の中で、何をどう見せるべきなのかという根源的なことを、煮詰めないままに本番になってしまったように見える、ということなのだ。
もし、東京ドームコンサートは「お祭り」で、ある意味ひとつの区切りでしかなく、これから2011年以降のスタイルが発進します、ということであれば、偏屈先生は非常に嬉しい。なぜなら、これからもPerfumeを応援し続けられるから(コンサート名のロゴの「11」には、明らかにcontinueを示す三角形が付いているので、少なくとも未来志向はあるらしい)。
でも、これが現在の姿です、いっぱいいっぱいです、ということで、メンバーとスタッフが本当に満足しているのならば、残念ながら2011年以降にPerfumeの未来は無いであろう。

何はともあれ、終わったのだ。
天使たちよ、今はその身を休めるときだ。
そして、目が覚めたら、もっともっと元気になって戻っておいで。

オジサンは待っているから(笑)。

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コメント

>代々木の時のような会場に満ち満ちた一体感も多幸感も、ついぞ感じられなかったのである。

ここはちょっと異論。
自分、上の階のかなり後ろに居たけど、
結構、自分も周りも冷めてました。
だって、ダンスと音がずれてるんだもん(音が遅れて届く)。
3人も米粒だからスクリーンしか見てなかったし、ライブと言うよりは、前もって用意された音源垂れ流しを聞きに来た感じ。
今まで8箇所くらいでPerfumeのライブ居たけど、代々木は最低のライブでした。

投稿: | 2010年11月20日 (土) 03時49分

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