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2013年10月 8日 (火)

LEVEL3はダンス音楽のSgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandである

久々のブログ執筆で緊張している(笑)。
東京五輪の話題とか10月4日の「タモリ倶楽部」のトンネルのネタとか、書きたいことはテンコ盛りなのだが、ここはやはりPerfumeの新譜アルバム『LEVEL3』の感想といこうか。

全14曲の「Perfume史上最大のダンスアルバム」という触れ込みのこの1枚、結論から言うと、もの凄く出来の良いアルバム、ということになる。
本来であれば1曲1曲評価するべきところだが、このアルバムに限ってはあまり意味がないと思う(それでも後でやるつもりだけど)。

その前に。
Amazonのレビューでわざわざ星ひとつにするバカとか、Amazonで初回限定版を2枚購入したら自分の希望した色のジャケットが来なかったとか言って最低評価にする基地外とか、挙げ句の果てには2ちゃんみたいなところで「この糞」「中田は枯れた」などと言いたい放題のクズどもが沢山いるのも確か。
もちろん、表現の自由というものがあって、自分の思ったことを発表できるのは南朝鮮や宗主国と違って日本の素晴らしいところだが、ちょっと勘違いしている輩が多いので、あえて書いておく。
「表現の自由」というのは、ネットにバカ丸出しの落書きを自由にしてもいい、ということじゃない。それが他人の目に触れる以上、感情的な嫉妬やねたみ、そねみではなく、きちんと書いたことに自己責任を持てる範囲で表現する、ということだ。
自分で吐いたツバは、ちゃんと自分で飲み込め。それができないなら、せめて感情的な悪口ではなく客観的な批判を書け。批判は、例えそれが「好き嫌い」のレベルであっても、何人たりとも妨げていい理由はない。

しかし、以前から書いているのだが、いい加減にAmazonのレビューはAmazon購入者に限定する仕様に替えてほしい。明らかに買っていない、製品に触って(聞いて)もいない、アンチ以外の何者でもない輩が、意図的に低評価を付けるのを止めさせるべきだろう。
また、Amazonのロジスティックス、製品のクォリティ(CDならお皿とジャケットの質そのもので、レコード会社の責任の範疇にあるものね)、ソフトウェアの中身(曲とかデザインとか、アーティスト側に責任のあるものね)は、評価の対象項目として分けるべきだろう。でないと、Amazonで購入しても発売日当日に届かなかったとかの理由で、折角の良品に星ひとつの評価を付けられたらたまったもんじゃない。

とりあえず、閑話休題。

『LEVEL3』の評価を書くことにしよう。ただし、偏屈先生の大いなる妄想に基づいているので、中田Pが本当にそう考えたのかどうかは、確約しかねるのでそのつもりで。

結論から書くと、素晴らしい作品であると言える。100点満点で95点は付けられるはずだ。ひいき目無しに見ても、好き嫌いはあっても、決してAmazonで星ひとつになるべきものではない。

先程、この作品は「1曲1曲評価するべきところだが、このアルバムに限ってはあまり意味がない」と書いたのは、このアルバム全体が結果的にひとつのコンセプトに基づいたLive Showになっていると思うからである。Dance Partyと言ってもいいかもしれない。
冒頭の『Enter the Sphere』から最後の『Dream Land』までだ~~~~~~~~~っと続く、長いRaveなのでる。一連のShowだから、Opening Numberもあれば、着替え曲もある。雰囲気を変えるミディアムナンバーもある。

細かいことは後で述べるが、これって何かに似ていないか? そうRock史上№1と賞讃され続けているThe Beatlesの『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band(以下SPLHCB)』である。

まあ、中田Pがそういうコンセプトを掲げたというよりも、Perfumeの3人が中田Pに「踊れるアルバムにしたい」という希望を出したことで、12月の2大ドーム公演を念頭においた構成になって、結果的に一連のLive Showみたいになっちゃったというのが正しいのだろう。

極端な話、旧曲を無視すれば、このアルバムのラインナップだけでコンサートができてしまうわけだ。曲単位で個別に見ていくと、だんだんそう思えてくるから不思議である。

では、1曲ずつ見ていくとしよう。

1. Enter the Sphere
堂々のOpening Numberである。
Global Siteのテーマ曲でもあるし、World Tour 1stのOpening Numberとしても使用されたので、ファンなら誰でも知っている曲。これにPerfumeの歌をちょこっと付け足したものと言っても過言ではないと思う。
「Sphere」とは、球体とか領域とか言う意味なのだとか。ではここに「入る」というのはどういうことか、と。普通に考えると「LEVEL3」という領域に入るということなのだが、このアルバムを引っ提げてPerfumeが行う活動は何か……と考えると、どうしても「ドーム」という言葉が出てくるわけだ(実際、全国ツアーの予定はないし)。
となると、LEVEL3の領域というのは、ドームを主体とした巨大Rave Partyなんじゃないの? で、この曲はその壮大な幕開けのテーマじゃないの? と妄想するわけだ。
余談だが、『JPN』1曲目の『The Opening』にはPerfumeの声が一切入っていなかった。それが、あのアルバムの最大の問題じゃなかったのか?と偏屈先生は考えていたりする。

2. Spring of Life (Album-mix)
Opening Numberの『Enter the Sphere』が、SPLHCBにおける同名のテーマ曲だとすると、このSoLは『With A Little Help From My Friends』にあたると言える。曲のつながり方もよく似ているし。
ポイントは、あえてアルバム用のmixとして、ダーク面から入ってきたこと。SoLはUniversal移籍後第一弾のシングルだったこともあり、すごく前向きで明るい作品なのだが、PVを見ればわかるように、実は「前向き」の裏に涙もある的な「陰」が存在するものになっている。で、このmixでは、そちらのダークサイドが前面に出てきたわけ。個人的には、叫び出したくなるほどカッコいい……中田Pが考えるこの曲のテーマは、本当はこっちだったんじゃないのか? と思うほどである。
1曲目からここまで息継ぎできない状態が続いていくので、ちょっと疲れ気味に。

3. Magic of Love (Album-mix)
SoLが大好きな偏屈先生だが、実はこのMoLも非常に好みである。
ただし、どういう訳かUniversal移籍以降のシングルはファンの評判がいまひとつ。このMoLなどは、ついこの前にリリースされたばかりなのに、散々な言われようである。
と言うわけで、このアルバムでどう料理されるのかちょっと気に掛けていたのだが、中田Pによって見事にぐちゃぐちゃにされたわけだ(良い意味で)。
最後にピアノまで入れていただいて(涙)。
ここまではSPLHCBで言うと、SoLと合わせ技で『With A Little Help From My Friends』ということになる。さらに疲れ気味になり、息も絶え絶え。

4. Clockwork
SPLHCBで言うと、かの名曲『Lucy In The Sky With Diamonds』にあたるのがこの作品。
Perfumeの曲は、自分たちを人形とかロボットとかに例えることが多いのだが、ここでは「ねじ回し式の時計」に彼氏に翻弄される女性の心理を重ねているようだ。
歌詞とか曲のテーマに関しては、特に目新しさは感じない。特筆すべきはそのサウンドだ。まるで大きな箱の中で、自分たちが機械の一部になったようなエコーワーク、撥ねるベースが心地よい。そのリアルさは、花やしきのアトラクション「ゴーストの館」を思い浮かべていただけるとわかるだろう(←わかんねーよ!)

5. 1mm
この辺から、『LEVEL3』=SPLHCB説も怪しさを増してくる(笑)。
Showとしてはへヴィーチューン続きで呼吸が苦しくなってきたので、少し椅子に座って落ち着いて堪能できる曲が欲しくなるころ。順番は前後するが、SPLHCBだと『She's Leaving Home』あたりがこの『1mm』ではないだろうか。
偏屈先生は、てっきりこれがシングルカットされるものだと思っていたのだが、そうじゃないのか? 違うの?
サウンド的にも雰囲気的にも、『I still love U』を想起させる切ないナンバーだが、MJを見て思ったのは、Perfumeの楽曲はやはりTVで寸足らずで演るもんじゃないね、ということ。ショートカット版では全然良いところが見えてこない。サビの「あーあーあー」のパートが面白いのだが、別に取り立ててキャッチ―でもないし……やはり、全体の雰囲気で魅せる曲なのですよ。

6. 未来のミュージアム
この曲は、SPLHCBの『When I'm Sixty Four』だ。
優しくて温かい曲調とか類似点も多いし、とかく無機質になりやすいこのアルバムの中で、大人から子供まで楽しめるという点でも似ているではないか。
偏屈先生的には、この曲はPerfumeの黒歴史なのであまり好きではないが、ずっと聴いていると頭がキンキンしてくるこのアルバムの中で、一服の清涼剤になっているのも確か。

7. Party Maker
巷ではEDMっぽいと言われるのだが、確かにそれっぽい。
でも、Perfumeがやるとセクシーというより、もっと体育会的なムードが感じられるのだが。トランスっぽくもあるし……すみません、この辺の音楽はよくわからないです。
SPLHCB的に言うと……順番はめちゃくちゃだが……これは紛れもなく『A Day In The Life』ではないか?
どこかのサイトで、「こんなのどこでもあるよー、Perfumeが演ったからってどうってことないじゃん、知らないお前らはダセー」とのたまっている方がおられたが、Perfumeの名前でこれを演るチャレンジの意味を、中田Pはわかっているはず。capsuleが演るんじゃないんだよ? Perfumeだよ? その意味がわからない奴は、未来永劫知ったかぶり大明神としてはるか天上に君臨し、下世話なPerfumeの曲なんか、絶対に聴かない方がいいと思う。
偏屈先生はこれを聴く度に、毎回逝ってしまいそうになる。麻薬みたいな曲で、その「逝っちゃう」感じが『A Day In The Life』に似ているんだよなー。

もうちょっと妄想を続けよう。
この曲のLiveでの役割は、絶対に休息後の「後半Opening Number」だと断言したい。前の東京ドームのときの『Perfumeの掟』のポジションである。そう考えると、サウンドも似ているように思えるではないか? 噂によると、コンサート会場においてジャンプは禁止されつつあるらしいので、『Fake It』は演れない可能性が大。その場合、この曲が代わりをするんだろうなぁ。

8. ふりかえるといるよ
何がいるの? 貞子? 昨日までの自分?
不思議な雰囲気からいくと、SPLHCBでは『Being For The Benefit Of Mr Kite!』か。オルガンみたいな音もそれっぽいし。
歌詞を見ると金縛りの唄みたいな感じもする。
まったくの余談だが、この曲と最後の『Dream Land』を聴くと、どうしてもPSY・Sを想い出してしまう。この曲は『ドリーム・スープ』だし、最後のは『Wondering up and down~水のマージナル』だ。おまけに次の『ポイント』は『サイレント・ソング』とか『Parachute Limit』。サウンド的には全然似ていないのだけれど。
前にもどこかで書いたと思うのだけれど、PSY・Sの松浦雅也はゲーム音楽で相当有名な人なので、中田Pは絶対どこかで影響を受けていると思うんだよねー。まあ、妄想だが。

9. ポイント
すでに有名な曲だが、SAMTのシングルを買っていなければC/Wであるこの曲をフルで聴くことはないだろうから、これはこれでアルバムに収録されている意味があるのだろう。
「意味」で思い出した。某サイトでドラムンベースにする意味が無いとか書いた輩がいたな……ほっとけと言いたい。自分の楽曲をどうアレンジしようが中田Pの勝手だ。「ドラムンベースが流行ってるから、ちょっとやってみっか」でやって何が悪いのか。
またThe Beatlesの例で申し訳ないのだが、超有名曲の『Ob-La-Di, Ob-La-Da』なんかポール・マッカトニーが何度も迷って録り直した挙げ句、嫌気がさしてヤケクソになったジョン・レノンの出鱈目ピアノが良い味を出していたりする。まあ、音楽なんかそんなもので、ちょっとその気になってドラムンベースでやっちまったとしても、罰は当たるまいに。
SPLHCBでは、その軽快さから『Lovely Rita』になる。
二日酔いで胸やけしているときに聴くとよい。

10. だいじょばない
この曲は、ダンスを見ないと魅力が半減する。偏屈先生はロンドンで至近距離で見ましたよ(自慢?)。
元々は『未来のミュージアム』のC/Wなのだが、先程書いたように『未来のミュージアム』自体が黒歴史認定の1枚のため、その余波を受けてこの曲もほとんど聴いてなかった。軽いな~という印象しかなかったし。
その悪い印象を変えたのが、YouTubeで見た韓国の音楽祭でのこの曲のダンスだった。とにかく、凄いんですよ。運動量めちゃ多い! のっちの前髪が毎度毎度乱れまくり! Mikiko先生は悪人です!
というわけで、この曲がここにあるのは、やはりアルバム全体の趣旨がDance Partyだから、としか言いようがないのだ。
SPLHCBでは、これに相当する曲が……あるわけがない。あえて言うなら『Getting Better』か。意味的には真逆なんだが。

11. Handy Man
これはもう、『Within You Without You』ですよ。カレー味、しかも本格派ね。
しかし、なんで中田Pの歌詞って「自分はダメぽ」的なものが多いのだろうか? そういうのが、リアルだと考えているのか?
MoLのC/Wとして発表されたとき、口さがない連中は「きゃり~に提供する楽曲をPerfumeに回したんだろう」などと吹聴していたものだが、結果的にはここに置いて問題なくはまっているのは驚きである。

12. Sleeping Beauty
Live Showの着替え曲認定、ですよ。
しかも、『Butterfly』、ですよ、これ。
SPLHCBでは……もうこじつけで『Fixing A Hole』ということにしておきましょう。

13. Spending all my time (Album-mix)
神々しいイントロ、良いですよねぇ。
問題は、ちょっとアレンジに難あり、というところか。つなぎがちょっと唐突な箇所があるのだが、誰も気にならないのか?(カンヌmixからそうなっているのだが)
偏屈先生の妄想では、ここでLive Showは一旦終わり。つまり、コンサートのラストナンバーというわけだ。
しかし、例のプロジェクションマッピングを今度のドーム公演でも演るのか? 演るとすれば、最初のOpeningか、後半のOpeningか。まあ、あの電動羽根衣装はすぐにパッと着られて、サッと脱げるわけでもなさそうなので(確認済み)、もしこのSAMT(Album-mix) を演るならば、ライゾマティックスのDaitoさんが、きっと別な手法を考えるはず。
期待しておきましょう。
SPLHCBにあてはめると……コンサートのラストという意味で……『Good Morning Good Morning』+『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)』ということになるだろう。

14. Dream Land
横浜の戸塚とか奈良にもこんな名前の遊園地があったよなぁ、などと想い出にふける偏屈先生でした。年寄りは過去に生きるものなのです。
とにかく、前曲でLive Showはラストを迎えたわけで、この曲はアンコールに相当することになる。
そういうポジション的な意味で、『A Day In The Life』に相当すると言えなくもないが、すでに『Party Maker』でカードを切ってしまっているので、ネタがない。サウンド的には『Party Maker』だが、存在感としてはこちらなので、『A Day In The Life』が二つに分裂したものと認定したい。
この曲はPerfumeに今までなかった壮大なテーマを持っている。個人の恋愛を超えた「人類愛」とでも言おうか。『エレクトロ・ワールド』のアンサーソングと言う噂もあるが、歌詞といい、全然テクノじゃないメロディといい、Perfumeの新しい世界を見た思いがする。ひと言で言えば、名曲です。これをドームではラストソングで歌うんじゃないかと推測する向きもあるけれど、偏屈先生的には本当の終わり……アンコールの最後に歌ってほしいです。

という感じで、とにかく評価できるアルバムであることは間違いない。
名作『GAME』を超えた、というレビューも各所であるけれど、実際はどうなのだろう。
偏屈先生は超えていない、と思う。ただし、劣っているわけでもない。
このアルバムが『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』ならば、『GAME』は『Revolver』か『White Album』に相当するだろう。一枚を通して聴く統一感やまとまりは、『GAME』よりもこの『LEVEL3』の方が明らかに上だ。しかし、1曲1曲の持つパワーは明らかに『GAME』が優る。

2時間のコンサートを突っ走るための80分間の統一感を取るか、その深みを堪能しながら1曲1曲を味わうか。それは聴く人の好みとしか言いようがない。偏屈先生としては、「深み」を取る。それは、偏屈先生がコンサートでは踊らない人だからである。

今回のサウンドの変化をして、「capsuleで演ればいいじゃん」「capsuleじゃないの、これ?」「Perfumeが演る意味あるの?」と指摘する一団が存在する。
その疑問は間違ってはいない。しかし、ぜひ気付いてほしいのは、「中田Pはcapsuleで他人を踊らせるための曲」を作っているのに対し、「Perfumeは自分たちが踊れる曲を欲した」ということだ。
視点が違うのである。

そういう意味で、この作品は「疑似ドームLive体感アルバム」である。
Perfumeが踊る。リスナーも踊る。だから、歌が『GAME』よりも明らかに細く少ない(パワーが弱いと感じるそのせいかもしれない)。
でもそれが、2013年末にPerfumeが望んだ世界観なのだ。

もうひとつ。
以前Mikiko先生はNHKの特番で彼女たちのことを、「全面的に歌って踊るグループなんだけど、ダンサーではない」と言い切っておられた。
もしそうなら、「Perfumeって、アイドルの割には踊りが上手いよねー」的な評価で満足できるはずなのである。ダンスじゃなくて、あくまで歌の「振り付け」で良いのだ。

さて、そんな彼女たちがこんなアルバムを出してしまいました。
果たして、「ダンサーじゃありませんから」で逃げられるだろうか?  直接のライバルになるかどうかわからないが、全面的にダンスを売りにするガールズグループも出現してきている。
そんな中で、これからのPerfumeのアイデンティティって何?……そう考えたとき、彼女たちが自ら出した答えがこのアルバムなのである。

新しい世界が見えている。それがNext Stepとしての『LEVEL3』なのだ。

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